蟹の甲羅に黒いぶつぶつがついていることがあります。
見た目に驚き「ハズレ?」と不安になりますが、結論から言うと多くの場合は問題ありません。

コンテンツ制作の基本方針
カニの黒いブツブツは何?
鮮魚で働いてた時
カニに付いてる黒いブツブツが
気持ち悪くて
取ってた
あの時は無知だったな
— 🍏 Alien hss 666🐍 (@mika22222222) February 19, 2024

黒い粒の正体=カニビルの卵嚢
「松葉ガニ(ズワイガニ)」の甲羅に黒い(すこし気持ち悪いですが)ブツブツが付着していることがあります。このブツブツはカニビルの卵!脱皮を終えて身の詰まったものに付着します。
\ポイント/
黒いブツブツがたくさんあるズワイガニは美味しい!#シェフルキッチン pic.twitter.com/c2pQo8ElAu— chefle_official (@ChefleOfficial) March 18, 2021
甲羅表面の黒い粒は多くの場合「カニビルの卵嚢(らんのう)」です。[2]
カニビルは海産のヒルの仲間で、硬い基質に卵を産み付けます。
深場では岩が少ないため、硬いカニの甲羅が産卵の足場として利用されます。
カニビルは寄生するのか?人への影響は?
カニビルは寄生しません。
卵嚢は甲羅表面に付着しているだけで、カニの体液を吸うわけではなく、人にも無害です。[1]
見た目が気になる場合は後述の方法で処理できます。
カニの黒いブツブツは食べても大丈夫?
食品衛生の観点から問題ない理由
卵嚢は可食部(身)とは無関係で、基本的に食べても健康被害は報告されていません。[1]
ただし一般的な海産物と同様、加熱調理や衛生的な取り扱い(低温保管・清潔な調理器具の使用)を守ってください。
見た目が気になる場合の調理・処理方法
黒いブツブツと身入り・美味しさの関係
カニビルの卵が多い=脱皮から時間が経っている証拠
カニは脱皮直後、甲羅が柔らかく身入りが少ない状態です。
その後、時間の経過とともに栄養を蓄えて身が詰まり、甲羅も硬くなります。
甲羅が硬い=産卵の足場になりやすいため、卵嚢が多い個体ほど「脱皮後時間が経過」している可能性が高いと考えられています。[2]
卵の数と身入りの関係(ただし例外もある)
水温・餌量・個体差・地域差などで身入りは変動します。
卵嚢の多さ=必ず身入り最高ではありません。
一つの有力な目安として、後述の他要素と合わせて総合判断するのが安全です。
美味しいカニの見分け方
黒いブツブツ以外のチェックポイント(甲羅の硬さ・重量感など)
- 甲羅の硬さ:しっかり硬いほど脱皮から時間が経ち、身入りが良い傾向。
- 重量感:同サイズで手に持って重い個体は身が詰まりやすい。
- 脚の付け根(肩)の弾力:弾力が強いほど可食部がしっかりしていることが多い。
- 腹側の色味:白濁しすぎず、透明感と張りがあるもの。
なお、カニの種類ごとの脚数の違い(ズワイ10本・タラバ8本)も基礎知識として把握しておくと、銘柄や表示の理解に役立ちます。
プロが見るズワイガニの目利き基準
- 甲羅表面の状態:傷や割れが少なく、汚れが海の生活痕として自然。
- 付着物の種類:カニビル卵嚢のほか、フジツボ等の付着も長く海で過ごした証拠と解される。
- 脚折れの有無:脚折れは価格に反映されやすいが、身入りとは必ずしも比例しない。
- 匂い:生臭さが強すぎるものは避ける。
まとめ
黒いブツブツは安心して食べられる
黒い粒の正体はカニビルの卵嚢。
人にもカニにも基本的に無害で、可食部とは切り分けて考えられます。[1]
身入りの目安として参考にできる
卵嚢が多い個体は脱皮後の経過時間が長い=身入りが良い目安になりやすいとされます。[2]
ただし例外もあるため、甲羅の硬さ・重量感などと合わせて総合判断しましょう。
店頭なら積極的にチェック、通販で届いたら「ラッキー!」と前向きに楽しんでください。
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注釈
1. カニビルが付いたカニは美味しい証拠? – 魚食普及推進センター
2. 丹後の海の生き物(カニビル) – 京都府ホームページ